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寄生虫症について

豚の寄生虫病
豚の生産性に弊害をもたらす外部・内部寄生虫としては、外部寄生虫として豚疥癬ダニとブタジラミ、内部寄生虫としては豚回虫、豚腸結節虫および豚鞭虫が挙げられます。

●外部寄生虫


  • 疥癬ダニ:疥癬ダニが生産性に及ぼす影響は極めて大きいと考えられています。
    疥癬ダニに汚染されていると掻痒感のため食物摂取も落ち着いて出来ず、また皮膚は浸出液が乾燥して痂皮を形成し、外観不潔な皮膚病変を形成する。また細菌感染を引き起こし易くします。母豚、種雄豚では慢性的な皮膚病変とかゆみ行動といった臨床症状が観察されるため、疥癬ダニ駆除プログラムがかなり実施されています。
    しかしながら、子豚・肥育豚では、亜臨床的な状況のため、未だに駆虫の必要性が認識されておりません。子豚・肥育豚に対する駆虫プログラムの実施は、飼料効率・DG減少・出荷日齢の遅延・出荷率の低下といった生産性への弊害を改善することが確認されていますので、適切な駆虫プログラムの実施が望まれるところです。

  • ブタジラミ:ブタジラミは肉眼でも観察可能な外部寄生虫です。ブタジラミの感染は、豚に極度の不快感と掻痒感を与え、飼料効率は極度に低下し、DGは減退します。こうした直接的病害作用に加えて、豚痘ウィルスを媒介するため豚コレラについで重要な感染症であると認識されており、適切な駆虫プログラムの実施が必須です。

 

 

 

 

●内部寄生虫

  • 豚回虫:豚回虫汚染は、体内移行幼虫が引き起こす肝白斑症(ミルクスポット)によって肝廃棄率が高まるため明確な被害意識があります。また、体内移行する幼虫は肺を通過する際に、肺組織を破壊損傷し、細菌感染を誘発しやすくしております。
    しかしながら、こうした肝白斑症を引き起こしている豚では、豚回虫の成虫により大幅な栄養分の横取りのあること、濃厚汚染の豚では最終寄生部位である小腸内に寄生する豚回虫が、飼料の通過を阻止してしまうこともあり、こうした成虫が引き起こす病害作用も見逃すことはできません。軽度の感染の場合でも小腸組織を損傷し過敏状態を形成します。臨床症状としては粘液を含む下痢便排出、体重・DGの減少が挙げられます。肺組織の損傷は喘息症状に似た咳をもたらし、重度の感染によって死に至ることもあります。環境の浄化、適正な駆虫プログラムの実施が必須であると考えます。感染は虫卵内で発育した第1期幼虫を含む成熟卵を豚が摂取することによって成立します。こうした成熟卵は外界環境(寒さ、熱、乾燥)に対して抵抗性があり、数年に渡り感染能力を維持しながら生残します。

  • 豚腸結節虫:感染子虫(L3)が摂取されると、小腸または大腸の粘膜組織中に侵入し第 4期幼虫(L4)、成虫へと脱皮・発育します。成虫は最終寄生部位である大腸に移動します。豚腸結節虫の主たる病害作用は、腸管粘膜に侵入し組織を損傷させることにあります。感染が続くと腸管粘膜は肥厚し結節状になり、腸管の可動性と栄養分の吸収を阻害することになります。重度の初感染の場合では、粘液を含む暗色の下痢便を突然に排泄し、食欲減退、削痩および発育不良を呈することになります。環境の浄化、適正な駆虫プログラムが望まれるところです。

  • 豚鞭虫:豚回虫と同様に、成熟卵を豚が摂取することにより感染が成立します。成熟卵は外界環境に対して抵抗性があり、感染能力を維持しながら 5~ 6年以上生残することが確認されています。腸管内で孵化した幼虫(L1)は腸管壁に侵入し、そこで脱皮・発育して第 2期幼虫(L2)になります。L3→L4→L5=未成熟虫へと脱皮・発育を繰り返し、最終寄生部位である大腸で成虫になります。幼虫は腸管組織を破壊・損傷し、過敏状態を形成しますが、主たる病害作用は成虫によって引き起こされます。大腸の腸壁内に寄生した豚鞭虫の成虫は吸血し、粘膜を損傷します。
    症状としては貧血、血便、水様便が挙げられますが、若い豚への感染は食欲減退を引き起こし、発育阻害、発育停止を引き起こします。

 

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