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ワクチンのリアクション

生ワクチンを接種すると鶏体内に異物を取り込むことにより免疫応答の中で、頭を振る、異常呼吸音や涙目等の臨床症状が、いわゆるワクチンリアクションとして投与後約 4日で始まり、5~6日間続きます。さまざまな理由からリアクションは時に激しくなることもあり、その結果生産性の低下、斃死率の増加および薬剤費の増大等の原因ともなり、しかも処理場での廃棄率の増加につながり著しく収益が低下することは充分お分かりのことと思います。
このため、効果的なワクチンリアクション対策をとる上で、次のような点について予め洗い直しが重要となります。ワクチンリアクションの強度に影響する要因としては下記のような事項が挙げられます。

  • ヒナの品質
  • 移行抗体
    (レベル・ばらつき)
  • 使用したワクチン株
  • 投与方法
    (飲水投与<点鼻投与<点眼投与<スプレー投与)
  • 投与のタイミング
  • 免疫抑制やその他の疾病の存在
  • 空気、飲水、敷料の汚染状況
  • 鶏群の管理
    (温湿度、換気、給餌給水等)
  • 鶏舎の衛生と休舎期間および地域環境

冬季には、鶏舎は閉め切られてしまい換気は最適な状態より悪くなる恐れがあり、このため夏季よりも冬季の方がリアクションが強くなり、反応期間が長引きます。
担当者は冬季のリアクションの時期とその徴候を夏季よりもしっかりと理解しておく必要があります。
鶏舎に入った場合のワクチンリアクション観察法
以下は、鶏舎に入った場合のワクチンリアクションを観察する時の重要なポイントです。


Q. 環境の確認

A.

  • 鶏舎でアンモニア臭がするか?
  • 鶏舎は埃っぽいか?
  • 鶏は鶏舎全体にちらばっているか?
  • 鶏舎温度は適切か?
  • 飼料と飲水はいつでも摂取可能か?
  • 敷料は汚れていないか?固まっていないか?冷たくなっていないか?
  • 昼夜の明らかな温度差があるか?
  • 換気状態は適正に行われているか?

鶏舎内の悪い環境やストレスの多い状態はしばしばより強いリアクションの原因となるので注意が必要です。

Q. 鶏舎での鶏群の確認

A.

  • 全体の斃死パターンとくらべて、その日の斃死状態はどのようであるか?
  • 異常呼吸音があるか?その程度は?
  • 鶏舎に“盲目”鶏はいるか?
    (目を閉じている、アンモニア焼けしている)
  • 普段よりうるさくないか?
  • 鶏はゼイゼイあえいでいないか?

これは人によって判断基準が違う場合が多く、観察状況を数値化し共通の尺度に統一する事がどうしても必要になります。そのため、次のようなスコアで確認することをお勧めします。
鶏舎の隅で鶏(300~500羽、通常 6~10坪中)をグループにし、その場所で 5分ほど静止し、少なくとも 1分間、以下のような項目について観察する。

1. 呼吸器から異音が聞こえるか?

点数

異音の聞こえたおおよその鶏数

0

0

1

1-25%

3

26-75%

5

76-100%

2.頭を振っているか?

点数

頭を振っていたおおよその鶏数

0

0

1

1-25%

3

26-75%

5

76-100%


3. 涙目か?

点数

涙目だったおおよその鶏数

1

<1% (鶏群中 1羽から 5羽)

2

>1% (5羽より多い)

 

鶏群の観察は少なくとも鶏舎内の2ヶ所で繰り返し行ってください。これらの観察に基づき、リアクションに対して合計点数を出します。最大は 10点(5+3+2)です。
緩やかなリアクションならば1点から3点の点数がつけられ、このまま鶏舎内環境を維持するよう引き続き管理します。中度のリアクションなら 4点から 7点となり、鶏舎環境の再確認が必要となります。特に6点から7点であれば、今後の斃死鶏の動静を注視し投薬の準備をしていた方がよいでしょう。強度のリアクションは 8点から 10点となり、呼吸器病対策を直ちに実施すべきです。

Q. 剖検による確認

A. 斃死直後あるいは剖検のための解剖鶏を調べると重要な情報が明らかになる場合が多く、軽い気嚢炎(気管の内側に多少の湿潤を呈する)はリアクションでよく見られます。気管プラグ(気管の分岐点で通常見られる白い芯)と、中~強度の気嚢炎はワクチンリアクションで起こりうる疾病との複合例です。また、適切な管理下におかれていても、リンパ器官に早期のダメージがあると免疫抑制を引き起こしたり、強度のワクチンリアクションを起こす原因となるため、幼雛(3週齢まで)のファブリキウス嚢、脾臓および胸腺を調べることもまた重要です。
ワクチンリアクションの観察は、ブロイラーの健康プログラム全体のうちの一部でなくてはなりません。ワクチンリアクションの対策には、鶏舎内の環境、ワクチンリアクションの強度とタイミングを注意深く調べ、斃死鶏および斃死直後の鶏の病変の剖検をきちんと行うことも含まれています。

 

 

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